お役立ち
かかと内側の裏地が破れた革靴を斜め上から見た様子

革靴のかかと内側が破れたら、接着せずに撮る写真|芯材・履き口を伝える修理相談

革靴のかかと内側が破れると、浮いた革や布を接着剤で戻したくなるかもしれません。しかし、貼ったり縫ったりする前の状態には、修理相談に必要な情報が残っています。

破れた部分の接写だけでは、傷みの広がりや履き口の変形、反対側の靴との違いまで写らないことがあります。靴を履き続けたり裂け目を引っ張ったりせず、全体から細部へ順に撮影しておきましょう。

引っ張らずに、破れの広がりがわかる写真をそろえる

左右の革靴を並べて破れの範囲と左右差を撮影する準備

相談用の写真は、傷だけを大きく写すよりも、どの靴のどの位置にある破れなのかがわかる構成にします。最初から接写すると位置関係が伝わりにくいため、靴全体から少しずつ近づいて撮ると整理しやすくなります。

全体、左右差、近接の順で撮る

  • 破れた靴の全体:つま先からかかとまで入る斜め上の写真
  • 左右の靴:同じ向きで並べ、履き口の高さや形を比べられる写真
  • 履き口を上から見た状態:内側の破れと反対側の裏地が一緒に見える写真
  • 破れの正面:裂けた範囲と周囲の革や布が見える接写
  • 破れの上下と端:縫い目やめくれた境目を横から写した写真
  • かかとの外側:外から見た形や傾きがわかる写真

大きさを伝えるために定規を使う場合は、裂け目へ差し込まず、傷の横に置きます。片手で履き口を強く広げるのではなく、靴を安定した場所に置き、見える範囲を撮れば十分です。

暗い内側は、角度を変えて撮り直す

かかと内側は影になりやすい場所です。窓からの光が入る場所で、靴の向きを少しずつ変えながら撮影します。強い光で破れの縁が白く飛ぶ場合は、正面からの一枚だけで済ませず、斜めからも撮っておくと形が伝わります。

画像へ丸印や線を加える場合も、加工前の写真は残してください。元画像があれば、相談先が別の部分を拡大して確認できます。

芯材らしき部分と履き口は、別の写真で見せる

革靴のかかと内側にある破れの奥と履き口を確認する様子

破れの奥に硬いものや別の素材が見えても、その場で芯材だと決めつける必要はありません。靴の構造によって見え方が異なるため、引き出さず、見えている位置と形がわかる写真を残します。

奥をのぞく写真と、履き口の輪郭を分ける

裂け目の奥を撮るときは、めくれた部分を無理に起こさず、自然に開いている範囲へカメラを向けます。硬い部材、クッション状のもの、粉や小片が見える場合は、それぞれが破れのどの位置にあるかも画面へ入れてください。

履き口は、真上から見た写真に加え、かかと側から水平に近い角度でも撮ります。縁のつぶれ、折れ、縫い目の開きがある場合は、その部分だけを近くから撮る一枚も加えます。形を再現しようとして指で強く押したり、何度も折り曲げたりする必要はありません。

素材名は写真だけで決めつけない

内側に使われているものが革か布か、見えている部材を何と呼ぶか迷っても、自己判断で名称を確定せず、「かかと内側の破れ」「奥に硬い部分が見える」のように見たままを伝えれば構いません。購入時の商品情報や素材表示が残っていれば、その写真も添えられます。

皮革に関する言葉を確認したいときは、日本皮革産業連合会の「みんなの皮革用語辞典」案内を参照できます。ただし、用語を当てることより、傷んだ場所と範囲がわかる写真を優先しましょう。

貼る・縫う・押し込む前に、着用を止めて相談する

手を加えていない革靴の写真を確認して修理相談を準備する様子

破れた裏地が足へ触れると、その場だけ覆いたくなるものです。ただし、修理相談の前に手を加えると、裂け目の境界や元の縫い位置が見えにくくなることがあります。写真を撮ったら着用を休ませ、現状のまま相談へ進むのが無難です。

相談前に避けたい応急処置

  • 瞬間接着剤や靴用接着剤を裂け目へ流し込む
  • 粘着テープを革や布へ直接貼る
  • 家庭用の針やホチキスで留める
  • 浮いた革、布、糸、小片を切り取る
  • 見えている硬い部材を押し込む、または引き出す
  • ドライヤーで熱を加える、水やクリーナーで濡らす

これらを行ったからといって、必ず修理できなくなるという意味ではありません。ただ、元の状態を確認しにくくなるため、相談より先に行わないほうが情報を残せます。すでに接着剤やテープを使っている場合は、無理にはがさず、その内容を相談時に伝えてください。

写真と一緒に伝えるとよいこと

写真には、破れに気づいた時期、気づいた後も履いたか、歩行中に引っ掛かりや違和感があるかを添えます。雨や汗で濡れた直後だった、クリーナーを使った、外れた小片があるといった経緯も、わかる範囲で書きましょう。

写真だけで修理方法や可否が確定するとは限りませんが、裏地の破れ、履き口、奥に見える部材、左右差を分けて見せれば、相談時の状況説明がしやすくなります。撮影した画像と経緯がそろったら、Rafixのお問い合わせ窓口から相談できます。

撮っておきたい中心は、破れの接写だけではありません。靴全体、左右の比較、履き口、裂け目の縁と奥、かかと外側までが一組です。接着や家庭縫いで隠す前に、そのままの状態を写真へ残してください。