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カビが見つかった革バッグ

革バッグにカビのような白い点。表面だけ拭いて終わりとは限らない

久しぶりにクローゼットから出した革バッグ。表面の白い点を拭けば、また使えるように思えます。けれど、縫い目や底にも点があり、内側からもいつもと違うにおいがするなら、目に見える一面だけの話ではありません。

日本皮革産業連合会の「皮革製品の保管」では、保管中に起こる問題として、カビのほかに型くずれ、色移り、変退色が挙げられています。

表面の白い点が何なのかと、バッグのどこまで変化しているかは別の話です。白い点を拭き取っても、縫い目や内側、保管中に触れていた物の状態までは分かりません。

白い点を「カビ」と決める前に分けたいこと

白い斑点が見えるバッグ表面と縫い目のイメージ

白い点があるのは、バッグの正面だけとは限りません。縫い目に沿っていることもあれば、底や持ち手の付け根、内側に似た変化が出ていることもあります。

外側に白い点があっても、開口部から見える内装、ポケットの中、底近くまで同じ状態とは限りません。内側にいつもと違うにおいが残っていることもあります。

バッグの外側と内装を開いて確認するイメージ

写真で確認できるのは、バッグ全体の形、白い点の色や形、位置、縫い目や底への広がり、内装の見える範囲です。においや手触り、内側の見えない部分、すでに試した手入れの経過は写真には写りません。そこから原因やバッグの素材、表面仕上げまで決めることはできません。

保管中の変化は、表面だけに現れるとは限らない

布製の保管袋から革バッグを出した状態のイメージ

同資料では、汚れはカビの栄養源になり、湿ったまま保存すると、カビに加えて皮革の劣化、硬化、移染も起こると説明されています。保管前の汚れや湿り気、周囲との接触は、白い点とは別の変化を生むことがあります。

日本皮革産業連合会は、風通しがよく、低温で湿気が少ない場所での保管を案内しています。保管中に時々取り出して陰干しすることは、カビの早期発見にもなるとしています。長く開けていなかった収納と、定期的に状態を見ていた収納では、変化に気づく時期が違います。

保管に使っていた袋の種類も関係します。日本皮革産業連合会はビニール袋について、可塑剤の移行などによる密着や変色のおそれがあるため、保管には使用しないよう案内しています。白い点とは別に、接触していた面にべたつきや色の変化が出る場合があります。

通気性のある袋を使っていても、湿ったまま入れたのか、周囲の物と触れていたのか、長期間開けていなかったのかで、保管中の条件は変わります。

拭き取ることで別の変化が加わることがある

白い点を見つけると、先に拭き取り方を探したくなります。しかし皮革の手入れでは、何を使うかだけでなく、表面がどのように仕上げられているかが関係します。日本皮革産業連合会の「皮革製品の手入れ」は、ベンジンやシンナーのような有機溶剤について、塗装膜を溶かしたり、しみを生じさせたりするため使用すべきではないと説明しています。

水拭きや市販のクリーナー、クリームも、バッグの表面仕上げによっては、しみや色むらにつながり、外観を損なうおそれがあります。「革用」と表示されていても、どのバッグにも同じように使えるわけではありません。

家庭での水洗いについても、色落ち、型くずれ、風合いの低下が起こりやすいため、避けた方が無難とされています。高温で乾かす方法は、革の収縮や硬化につながります。

日本皮革産業連合会の「皮革クリーニング」でも、皮革製品を水で洗うと、収縮、型くずれ、硬化、脱色、艶失せが起きやすく、水系のクリーニングは特殊なケースに限られると説明されています。皮革クリーニングは、白い点を濡らして落とすだけの作業ではなく、素材や仕上げに応じた専用の方式として扱われています。