本革か合皮か決めつけない。革張りソファの細かなひび・色落ちを相談する前の確認
革張りソファの座面に細い線や色の薄い部分が現れると、「本革が乾燥したのか」「合皮が傷んだのか」と早く答えを出したくなります。ただ、見た目だけで素材や傷み方を決めつけると、相談に必要な手掛かりを見落としかねません。
この段階でそろえたいのは、素材表示、傷みの範囲、表面に出た粉、触れたときの硬さ、これまで使った手入れ剤です。何かを塗って線や色を隠すより、手を加える前の状態を残したほうが、状況を伝えやすくなります。
素材名を当てるより、表示とソファ全体を写す

確認の入口は、表面の見え方から素材を推測することではありません。ソファに残っている表示や購入時の資料を探し、それが座面のどの部分についての情報なのかを写真で結び付けます。
素材表示は、見つかった場所ごと残す
クッションの裏側、ソファ本体の底面、背面、保証書や取扱説明書などを確認します。表示が見つかったら、設置場所が分かる引きの写真と、文字を読める距離の写真を分けて撮ります。メーカー名や型番が分かる資料も、手元にあれば一緒に残しておきましょう。
座面、側面、背面が同じ素材だとは決めつけず、傷みがある部位と表示の位置をそのまま伝えます。表示が見つからない場合も、推測で埋めずに「表示は見つからなかった」として構いません。
表示にある素材名の意味を確かめたいときは、一般社団法人日本皮革産業連合会の皮革用語辞典にある用語項目ページと関連する項目ページも確認材料になります。用語を照合するために使い、ソファの外観だけで素材を確定しないことが大切です。
全体、座面、境目を同じ明るさで撮る
いきなりひびの接写だけを送ると、どの座面の、どれほどの範囲なのかが伝わりません。正面からソファ全体を1枚、傷んだ座面が収まる距離で1枚、ひびや色落ちの近くを1枚という順に撮ると、位置関係を追いやすくなります。
近接写真には、傷みのある部分だけでなく、その周囲や縫い目も含めます。自然光の入る場所で、加工フィルターを使わずに撮ると、色の差を共有しやすくなります。大きさを示したい場合は、定規を表面に押し付けず、近くに置いてください。
ひびと色落ちに、粉・硬さ・手入れ履歴を重ねる

細かなひびや色落ちが見える場所では、表面に粉状のものがないか、周囲より硬く感じないかも確認します。ここで原因を診断する必要はありません。「見えたこと」と「触れて分かったこと」を分けるだけで十分です。
粉は払う前に撮り、硬さは押し込まず比べる
粉がある場合は、掃除機をかけたり布で払ったりする前に、色と広がりが分かる写真を残します。斜めから光が入る角度も加えると、平面の写真では見えにくい付着状態を伝えられます。粉の正体は写真だけで断定せず、「白っぽい」「座面の前側にある」など、見たままを添えます。
硬さは強く押したり、ひびを開くように曲げたりせず、手のひらを軽く添える程度で周囲と比べます。「周囲より硬く感じる」「違いは分からない」といった主観的な表現で問題ありません。人が座っていない状態でもひびが見えるかどうかも、相談時の手掛かりになります。
使った手入れ剤は、商品名と場所を切り離さない
革用クリーナーや保護剤などを使ったことがあるなら、分かる範囲で商品名、使った時期、回数、塗った場所、その後に気付いた変化をまとめます。容器が残っていれば、正面表示と使用上の注意を撮っておくと確認しやすくなります。
複数の製品を使っていて順番が曖昧な場合は、無理に思い出して断定せず「順番は不明」とします。確認のためにもう一度塗る必要はありません。
相談時にそろえる短いメモ
- 素材表示:見つかった場所、または見つからなかったこと
- 範囲:座面の位置、縫い目との関係、おおよその広さ
- 表面:粉の有無、色、広がり方
- 硬さ:周囲との差、または判断できないこと
- 手入れ:製品名、使用時期、回数、塗った場所
新しい処置を足さず、相談できる形に整える

ひびや色落ちを見ると、油分を補う、強く洗う、色を塗るといった対処を試したくなるかもしれません。しかし、相談前に表面の状態が変わると、最初にどのような傷みがあったのかを伝えにくくなります。
家庭用の油、強い洗剤、強い摩擦を加えない
食用油や用途の合わない油、強い洗剤、漂白剤、アルコールを含む液体などを、素材が分からないまま塗るのは避けます。メラミンスポンジでこする、爪で粉を削る、ドライヤーで温めるといった操作も、相談前には行わないほうが状態を保ちやすくなります。
「革用」と表示された手入れ剤であっても、対象素材や製品側の注意事項を確認できないうちは追加使用を控えます。新たに液体をこぼした場合など、すぐに対応が必要な状況では、ソファの取扱表示やメーカーの案内を優先してください。
写真の順番に沿って、分からない点も伝える
修理相談では、ソファ全体、傷んだ座面、ひびや色落ちの近接、素材表示、使用した手入れ剤の順に情報を並べると、話がつながります。購入時期や使用年数は、正確に分かる場合だけ添えればよく、曖昧なら「不明」「およそ」と明記します。
相談を始める場合は、Rafixの問い合わせ窓口で写真の共有方法や、確認に必要な情報を尋ねてください。写真だけで素材や修理内容が確定するとは限りませんが、手を加える前の状態と過去の手入れが整理されていれば、次に何を確認すべきか相談しやすくなります。
